はじめに
本プロジェクトは高速な無線データ通信を実現することを目的とする。
現実的に入手可能かつ安価な部品を使用し、安定かつ効率の良い通信を
実現するために、以下のような目標を設定した。
- PHS用モデムチップを流用し384kbpsの速度を達成する
- 誤りによる再送を抑制するために誤り訂正技術を利用する
- 回線品質を反映した経路制御技術の開発
機器の構成
ハードウェアは大きく分けると、経路制御や誤り訂正等の処理を担当する
プロトコルサーバー
を動作させる UNIX EWS(FreeBSD や Linux の
動作する IBM-PC/AT互換機で開発を行っている)と、モデムの制御
を行うEtherModem ZZ
と
PHSモデムチップを装備した入出力周波数140MHzの
RFモデム
部と、実際に
アマチュアバンドに周波数変換を行うためのトランスバーターからなる。
接続イメージはこちら。
プロトコルサーバー
プロトコルサーバーでは、以下のような処理を行う。
- フレームの組み立て、分解
- 誤り訂正符号化、訂正
- スクランブル、逆スクランブル
- 送信制御
図は論理的な接続図である。Windows 95等のIPが使用できる
外部の機器からはプロトコルサーバーを動かしているマシンをルーターとして
使用することによって、無改造でIPを利用したアプリケーションを利用できる。
(当面サポートするプロトコルは IP のみである。)
プロトコルサーバーの機能ブロックの接続図は
こちら。
EtherModem ZZ
Z80CPU を利用したワンボードマイコンである。従来使用していた RS-232C 等
の I/F では 384kbps の速度に対応できないので、最近安価(秋葉原で4k円前後)
に入手できるNE2000(IBM-PC/AT用のEthernet Card)を用い、
Ethernet で計算機と接続することにした。これが発展して現在のような
接続形態に落ち着いた。
余談ではあるが、EtherModem ZZ をタワーの上に載せるなどすれば、
10BASE-2(RG-58Uケーブルを使用) を用いれば 185m まで引き回せるので、
ケーブルロスを考える必要がなくなるというメリットがある。
EtherModem ZZ とプロトコルサーバーは送受信するパケットを、UDP/IP で
くるんで行うことになっている。
RFモデムおよびトランスバーター
PHSモデムには沖電気のPHSモデムチップを利用している。このチップは
送信がベースバンド信号であるので、変調するために Motorola の位相変調用
ICを利用している。
このモデムは変調速度が 192kbaud であり占有周波数帯域幅が 288kHz に
なる。そのような訳で 2.4GHz帯 での利用を計画している。マキ電機の
トランスバーター基板キットやパワーアンプ基板が利用できないかと
考えている。しかしながら....我々開発メンバーに2.4GHz帯機器の製作に
詳しいメンバーがいないので、詳しい方の協力を切にお願いする次第である。
現在考えているRFモデム部からトランスバーターまでのブロック構成は
こちら。
プロトコル
誤り訂正や経路制御などプロトコルの制御は全てプロトコルサーバーが行う。
今回は、フレーム組み立てと分解と誤り訂正、スクランブルのみの実装である。
フレーム組立て
IPパケットにコールサインを付加したりして、アマチュア無線で利用できる
ような形に変換する。
誤り訂正
ブロック符号による誤り訂正符号と、交錯によるバースト誤り対策を
行っている。
スクランブル
モデムによっては直流信号の伝送ができない(プロトコルサーバー
自体はこのRFモデムとは一切関係なく動作する)ので、スクランブルをかける。
免許申請
クラブ局の第一送信機として、正式免許(JO1YUQ)が交付されている。
該当モデムによる通信の免許上の電波形式は F1 である。
おわりに
今回は、機能限定版のプロトコルサーバーと EtherModem ZZ と
RF モデムの展示を行っている。
宿題として残っているのは、
- プロトコルサーバーへの経路制御機能等の追加}
- 送受信切替時間の短い(μsecオーダー)トランスバーターの開発}
である。今後はこれらの開発を行い実用機に発展させる予定である。
人材募集
2.4GHz 等のマイクロ波機器の製作について詳しい方、プロトコルや
通信方式に関して提案がある方、その実装が行える方、UNIX の
デバイスドライバーが書ける方を募集しております。
このプロジェクトに関する情報交換を Mailing List でも行って
おりますので、JH1FBM/根本徳人 までお問い合わせ下さい。